工場の製造スタッフとして入社した彼女との短い間交際

彼女との出会いは、私が勤める自動車部品製造メーカーの工場に、製造スタッフとして彼女が入社してきたことでした。当時私は27歳、彼女も同じ27歳。会社の製造スタッフは、殆どが家庭の主婦で、若い私にも出会いの場とはならない状況だったのです。

昼休みで、近くのテーブルで談笑する彼女の声がとても可愛く感じ、その容姿にも一目惚れしてしまった思いだったのです。工場の製造スタッフの中には、昔ながらの世話好きな年配の方がいて、彼女へ私の思いを伝えてくれることになったのです。現在のように、携帯電話が普及した時代ではありませんでしたので、その方に、名前や電話番号を書いたメモを彼女に渡してもらいました。

その夜早速彼女から電話があり、次の週末に飲みに行く約束を取り付けました。話をして初めて知った彼女は、地元では有名な暴走族のレディースに属していたこともある、元ヤンキーだったのです。今は、こうして工場のスタッフとして明るく頑張っている姿に、更に惹かれていったのです。それからは、毎週末に飲みに行くのが、彼女とのデートの定番になりました。2回目のデートの夜には、男女の仲にもなれました。

夏のある日、海水浴に行くことになりました。夜の内に地元を離れ、海へ向かう予定だったのですが、なかなか彼女からお迎えOKの連絡がありません。夜中の2時頃に、ようやく電話が入りました。迎えに行くと、彼女は少し酔っている感じです。隣にいた女の子も同様でした。訳を聞くと、スナックでアルバイトをしていたとのこと。なんとなく、雰囲気が悪いまま海へ出掛けて行きました。

一泊して帰ってきたのですが、その日を境に、二人の距離が段々と離れていったのです。彼女は、元カレの借金の肩代わりをしていて、これ以上はつきあいを続ける気がしないと正直に伝えてくれ、残念な気持ちも抱きましたが、そこで別れを決意したのです。約3ヶ月間ほどの、パッと咲いて、パッと散った苦い恋の結末です。

馴れ初め「社内恋愛」の話